前回J-REIT個別銘柄とREIT指数のパフォーマンス比較をしたのですが、その際にちょっと思っていました。
大暴落の時に保有REITはどうなってしまうのか
ということです。
そこで今回はコロナショックの最安値に落ち込んだタイミングでREIT資産はどれほどの損失になっていたのかを考えてみました。
次にそのような事態になった時に私は平静を保つことが出来るでしょうか。
【J-REIT】住居主体型が安定しているというのは本当か?東証REIT指数とパフォーマンス比較をしてみた
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検証の内容
今回の検証は最悪のタイミングで資産がどうなったかということを考えます。
そのため条件は以下の通りとしました。
- 検証にはREITの代表値として1343 NEXT FUND 東証REIT指数連動型上場投信を用いる
- コロナショック時の最安値である2020/3/19の安値1,235円の時価で考える
(ちなみにその翌営業日2020/3/23の終値は1,410円とすぐに約15%回復しています) - 検討期間は2010/3/19~2020/3/19の10年間
基本的には落ちるナイフをつかみに行く気構えでいますが、長期投資がここまで吹っ飛んだら流石にやさぐれる気がします。
暴落時の騰落と受領済分配金
暴落の底での資産額とそれまでに受け取っている分配金からどのようなリターンとなっているか確認します。
分配金については2011/12/2から復興特別所得税が課されるようになりましたが、面倒なので一律20.315%だったとして計算します。
10年前に1,000万円を一括投資していた場合
まず、10年前に1,000万円分を購入していた場合の資産額です。
暴落の底値でも吹っ飛んだのは8年弱分なので、購入時よりは値上がりしているのは確実です。
結果としては下記のようになりました。
つまり暴落時でも約28%の資産額上昇が残っており、10年間で投資額の約44%の分配金を得ています。
もちろん他の10年を切り取るよりも尋常じゃなく低いリターンですが、悪くはない投資のように思います。
1年に1度100万円ずつを10年間積立投資していた場合
毎年3/19に100万円を投資していた場合、10年間でどのようなパフォーマンスになったでしょうか。
10回中7回は検証時2020/3/19よりも高い投資口価格で100万円分購入することになります。
結果は下記の通りです。
総資産額は約16.8%マイナスとなりました。
しかしながら、分配金をそのまま保有していたとすると合算額では元本の1,000万円を超えます。
一括投資の方がリターンは大きいですが、この手法でも負けはしていなかったと捉えることが出来ます。
5年前に500万円を一括投資していた場合
コロナショックの10年前は暴落最安値よりも安かったため、プラスになる素地がある状況でした。
そこで5年に期間を短縮して確認しました。
NISAの期間でもあります。
コロナショック前の5年間のチャートは下図です。
このチャートで5年前に500万円投資していた場合の損益です。
資産が4割弱目減りしました。
さすがにきつい下げですね。
しかしながら分配金がそれなりにあり、利回りの高さが効きます。
たとえ投資口価格がここからなかなか戻らなくても、分配金をもらい続ければもう10年ぐらいで元本に届くことになります。
また実際にはここからすぐに急回復に入っていますので、一見大損失になりますがあまり焦らずに「いつかプラテン」という気持ちで戻りを待つ方が良さそうです。
ただNISAの観点ではちょっときついデータですね。
まとめ
REITは値動きが大きいとよく言われます。
その見解に従うと、暴落時には相当売り込まれてしまう資産という位置づけになります。
しかし、(まだ20年強の短いものではありますが)歴史的には長期で考えるならば暴落にも慌てなくて良さそうです。
もちろん個別REITでは危ないものもあると思いますが、REIT指数連動型ETFのような銘柄であれば慌てずに保有することで損失は減らせそうです。
むしろ買い向かっても良いかもしれません。
過去のチャートの再現性があるかはもちろん不明ですが、1343の分配金が急激に変化することは無いと考えますので、そこを頼りに投資口価格に捉われずに継続投資したいと思います。
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スターツプロシード投資法人はその名の通りスターツグループをスポンサーとする 住居特化型 J-REIT です。 現物不動産投資をする気分で購入してみよう と軽い気持ちで保有し始めた銘柄です。 第33期資産運用報告が届きましたので、気になるポイントを確認してみました。 ...
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