スターツプロシード投資法人はその名の通りスターツグループをスポンサーとする住居特化型J-REITです。
現物不動産投資をする気分で購入してみようと軽い気持ちで保有し始めた銘柄です。
第33期資産運用報告が届きましたので、気になるポイントを確認してみました。
スターツプロシード投資法人の概要
スターツプロシード投資法人はスターツグループ各社と協力関係にあり、そのパイプラインを活かした成長戦略を描く住居特化型J-REITです。
賃貸住宅への投資を中心とした安定重視のポートフォリオを戦略としており、そのほとんどがプロシードブランドのマンションです。
短期的ではなく中長期的な観点からの資産運用を戦略としており、資産運用報告の表紙にも
じっくり、揺るがず、末長く。
とあります。
これは第10期からの資産運用報告から書かれており、ちょうどこの投資法人が東証に上場したタイミングです。
標語の通り末長く安定して欲しいものです。
資産規模としては892億円と住居特化型J-REITの中では最も小さいです。
それでも物件数としては100を超えてきており、第1期と比べると10倍以上の資産規模になっています。
今後も規模拡大、ポートフォリオの質向上を目指すとしています。
現在のポートフォリオ
スターツプロシード投資法人のポートフォリオ構築方針と、実際の保有状況を確認してみました。
ポートフォリオ構築方針
構築方針としては、まず用途別として
- 賃貸住宅 :70%以上
- マンスリーマンション + サービスアパート + ホテル :25%以内
- 高齢者向け施設 :10%以内
- その他 :25%以下
大部分を賃貸住宅とし、他でも組成は出来るという形になっています。
エリア別投資方針は都市重視であり、
- 首都圏主要都市 :70%以上
- 政令指定都市 :20%以内 (首都圏主要都市を除く)
- 地方主要都市 :10%以内 (首都圏主要都市・政令指定都市を除く)
と首都圏が全てでも構わない方針です。
首都直下型地震が起きたら不安ではあります。
実際のポートフォリオ
投資対象の配分は下図のようになっています。
ほぼ全てが賃貸住宅だと言って良いでしょう。
偏りは確かにありますが、需要としては底堅いところを攻めており私の思想にも合っていると考えています。
スターツプロシード投資法人の稼働率
エリア別を含む直近5年間の稼働率をグラフにしました。
データは投資法人の開示情報を元にしています。
全体としての稼働率はこの5年間で95%を切っていません。
けん引役は首都圏で、平均約97%の稼働率で安定的に推移しています。
一方で政令指定都市や地方主要都市の物件稼働率はあまり高くない水準となっています。
ただし地方主要都市は物件数が4つなので振れやすいという要因もあります。
サムティレジデンシャル投資法人の時もそうでしたが、賃貸物件と言えども首都圏以外の地域で安定的に高稼働率とすることは難しいのかもしれません。
ましてや自分で現物投資をするのは難しそうだなと思いました。
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スターツプロシード投資法人の格付け
スターツプロシード投資法人の主要格付けは以下の通りです。
R&Iの格付け情報はありません。
JCRよりもR&Iの方が厳しめの傾向があるため、まずJCRを取得している可能性はあります。
投資の基盤がスターツグループなので、その影響が大きくなることは間違いありません。
スターツグループの業績はハイライトを見る限りでは安定しているように見えます。
(分析と言えるものではありませんが)
今後も投資法人だけでなく、スポンサーグループの動向を注視する必要があります。
とは言え格付け方向性もポジティブですし、しばらくは安定的であろうと捉えています。
まとめ
スターツプロシード投資法人はスターツグループをスポンサーとした住居特化型REITです。
資産規模は住居特化型の中で最も小さく、格付けも他のJ-REITと比較して高いとは言えません。
投資エリアは首都圏中心であり、その稼働率は高く維持されています。
一方で地方都市の稼働率は高くなく、今後の成長戦略をどう描いているかは気になるところです。
首都圏が災害に遭った場合など、分散が効いていないリスクももちろんあります。
ここのところ投資口価格が上昇傾向にあり、利回りはREIT平均付近になっています。
とりあえず私は保有継続します。
しかし、もしこれから購入するのであれば、スターツプロシード投資法人の成長を確信出来るようでない限り、J-REIT ETFの方がリスクと利回りのバランスが取れているのではないかと思います。
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