私は分配金を目当てとしてREITへ投資をしています。
中でも比較的安定していると言われている住居主体型J-REITを好んでいます。
現物不動産投資でワンルームやアパートに投資することを考えれば、手間などを考えるとJ-REITの方が自分に合っていると思っているためです。
(基本的には別物だと考えていますが、気持ちの問題です。)
そんな中で、ここのところ個別株投資を見直していることもあり、ふと思いました。
本当に住居主体型J-REITは安定しているのか?、と。
そこで、各住居主体型J-REIT個別銘柄とREIT指数を比較し、安定型と言えるのかを考えてみることにしました。
【J-REIT】8979 スターツプロシード投資法人 安定運用を標榜する賃貸特化J-REITの安定感とは
スターツプロシード投資法人はその名の通りスターツグループをスポンサーとする 住居特化型 J-REIT です。 現物不動産投資をする気分で購入してみよう と軽い気持ちで保有し始めた銘柄です。 第33期資産運用報告が届きましたので、気になるポイントを確認してみました。 ...
比較する住居主体型REIT銘柄と比較内容
今回検討に使用する住居主体型REITは以下の銘柄です。
3226 日本アコモデーションファンド投資法人
3269 アドバンス・レジデンス投資法人
3282 コンフォリア・レジデンシャル投資法人
3459 サムティ・レジデンシャル投資法人
8979 スターツプロシード投資法人
いずれもJAPAN REIT 不動産投信情報ポータルにおいて住居主体型とされているREITです。
ちなみにこれまで触れていない銘柄もありますが、私は全てに投資しています。
これに対して東証REIT指数に連動するETFとして
1343 NEXT FUND 東証REIT指数連動型上場投信
を対象とし、パフォーマンス比較をしました。
比較期間は2012/7/1~2022/6/30の10年間とします。
ただし
3282 コンフォリア・レジデンシャル投資法人:2013/2/6上場
3459 サムティ・レジデンシャル投資法人 :2015/6/30上場
のため、この2銘柄は期間を短縮して比較します。
過去10年の実績比較
住居主体型J-REITをそれぞれ1343 NEXT FUND 東証REIT指数連動型上場投信と比較していきます。
3226 日本アコモデーションファンド投資法人
日本アコモデーションファンド投資法人と1343の約10年分の比較チャートです。
2013年の上昇相場で1343に負けているためちょっと弱かったように見えるかもしれませんが、この山以降は明らかに1343より良いパフォーマンスになっています。
下げになったときには1343ほど下落せず、上昇基調になっていることが分かります。
コロナショックでもややリバウンドもありましたが戻りが早かったですね。
続いてパフォーマンス比較です。
条件は以下の通りです。
ー---------------------
期間:2012/7/1~2022/6/30
資金:1000万円
① 一括投資:2012/7/1に全額投資
② 分割投資:毎年7/1に100万円ずつ追加投資
※ 分配金は再投資しない
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以下が結果です。
いずれの手法でも日本アコモデーションファンド投資法人の方が優位でした。
また、全体的に上昇基調であったため一括投資の方が資産額の観点では有利でした。
しかしながら、1343対比ので位置付けとしてはいずれの投資手法でも大きな差はありませんでした。
一括投資の資産額における優位性については、下げ相場でこの再現性があるか不透明なところがありますので、これを鵜呑みにするのは危険でもあります。
ただ分配金には大きく差が出ますので、まとまった資金があるならばそのまま投入してしまった方が良いのかもしれません。
3269 アドバンス・レジデンス投資法人
アドバンス・レジデンス投資法人と1343の約10年分の比較チャートです。
日本アコモデーションファンド投資法人と比べると1343と似たような動きになっています。
つまりJ-REITの平均的な値動きに近いと言えそうです。
しかしながら上昇率としてはやや高めで推移しているので、結果としてのリターンは優位性を持つことになりそうです。
ということで続いてパフォーマンス比較です。
条件は先ほどと同様に以下の通りです。
ー---------------------
期間:2012/7/1~2022/6/30
資金:1000万円
① 一括投資:2012/7/1に全額投資
② 分割投資:毎年7/1に100万円ずつ追加投資
※ 分配金は再投資しない
ー---------------------
結果は下表の通りです。
日本アコモデーションファンド投資法人ほどではありませんが、アドバンス・レジデンスの方が1343よりも優位でした。
ここでも結局は資産額・分配金の観点で考えると、まとまった金額があるならそのまま投入した方が良かったという結果になりました。
基本的には上昇しているのでこの点は自明かもしれませんね。
3282 コンフォリア・レジデンシャル投資法人
続いてコンフォリア・レジデンシャル投資法人と1343の比較チャートです。
2013/2上場のため、約9年半分となっています。
日本アコモデーションファンド投資法人と同様の値動きになっています。
これも1343と比べて力強い上昇率です。
続いてパフォーマンス比較です。
上場が遅いためこれまで2銘柄と比べて短期間になっており、それに合わせて金額を調整しています。
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期間:2013/7/1~2022/6/30
資金:900万円
① 一括投資:2013/7/1に全額投資
② 分割投資:毎年7/1に100万円ずつ追加投資
※ 分配金は再投資しない
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結果は下表の通りです。
チャートの通りではありますが、アドバンス・レジデンスの方が1343よりも優位でした。
ここでは一括投資の方が上昇率でも強みを見せました。
分割した方が機会損失が大きいということが見えてきます。
3459 サムティ・レジデンシャル投資法人
サムティ・レジデンシャル投資法人と1343の比較チャートです。
2015/6上場のため、約7年分となっています。
2019年頃までは不安定な値動きでしたが、その後は1343と似た形でありながら上昇が強いチャートになっています。
ただちょっと最近は強すぎる気もします。
続いてパフォーマンス比較です。
この銘柄も上場が遅いため、少し短い7年間の比較となります。
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期間:2015/7/1~2022/6/30
資金:700万円
① 一括投資:2015/7/1に全額投資
② 分割投資:毎年7/1に100万円ずつ追加投資
※ 分配金は再投資しない
ー---------------------
結果は下表の通りです。
他銘柄同様、サムティ・レジデンシャル投資法人の方が1343より優位でした。
資産の増加率は他と同様の範疇に入りますが、分配金が他銘柄よりも多くなっています。
これはサムティ・レジデンシャル投資法人の分配金利回りの高さが反映されています。
投資口価格上昇も特に弱い訳ではなく、分配金も多いということで保有しておきたくなる結果でした。
8979 スターツプロシード投資法人
スターツプロシード投資法人と1343の約10年分の比較チャートです。
最後になって1343よりも弱気チャートの登場になりました。
最近のREIT指数の上昇には付いて行っていますが、特にコロナ前は大きく乖離する形で1343を下回っていました。
GPIFにこれだけ買われなかったなどあったか?とも思い確認してみましたが、そういうことでもないようです。
他の住居主体型J-REITと異なる値動きをしている原因はパッとは分かりませんでした。
小型かつ比較的低格付けだからでしょうか。
続いてパフォーマンス比較です。
条件は以下の通りです。
ー---------------------
期間:2012/7/1~2022/6/30
資金:1000万円
① 一括投資:2012/7/1に全額投資
② 分割投資:毎年7/1に100万円ずつ追加投資
※ 分配金は再投資しない
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結果は下表のようになりました。
最近の上昇により1343に負けることはありませんでしたが、一括投資の場合の途中経過はほぼ負け戦でした。
ただこのような値動きであったため分割投資の強みは出ました。
コロナショック後に関して言えば1343に比べて力強い値動きとなっており、3459 サムティ・レジデンシャル投資法人と似た動きとなっていました。
まとめ
住居主体型J-REITは比較的安定しているという仮説の検証のため、個別銘柄と東証REIT指数に連動したETFを比較しました。
その結果、直近の10年という条件下ではありますが、資産上昇率・分配金総額ともに住居特化型J-REITの方が優位になりました。
また、一括投資・分割投資の比較において資産上昇率で明らかな優位性を見出すことは出来ませんでした。
したがって分配金を考慮すると、まとまった金額があるのであれば一括で投資した方がリターンは大きくなりそうな結果でした。
あくまでも直近10年の結果のため、暴落時や下げ基調の場合は異なる結果になる可能性はあります。
それでもREIT指数に比べて下げがきついということは無さそうであり、安定指向と言えそうです。
そこで私としては住居主体型に注力して投資している今の方針は維持していこうと思います。
というよりもさっさと資金を投入してしまった方が良いかもしれません。
【J-REIT】3459 サムティ・レジデンシャル投資法人 の稼働率を分析してみた
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