2022年5月5日木曜日

【J-REIT】3459 サムティ・レジデンシャル投資法人から分配金!気になる稼働率を分析してみた

3459 サムティ・レジデンシャル投資法人 は住居特化型の中でも分配金利回りが良く、私は好んで投資して来ています。
しかしイメージ先行でいるのが実態です。

そこで第13期資産運用報告を基に、保有継続の検討のため自分なりに気になるポイントを確認してみました。


投資口価格133,300 円
第14期2021.8.1~2022.1.31
分配金2,764 円
分配金利回り4.13%
NAV倍率1.29
NOI利回り5.29%
(5/2終値ベース)




目次


サムティ・レジデンシャル投資法人の概要

その名の通りサムティグループをメインスポンサーとする住居特化型J-REITで、2022年3月24日現在で159物件を保有しています。
そのため物件取得はサムティグループからの供給が主で、現時点での所有物件は全てサムティ系のS-RESIDENCEシリーズもしくはS-FORTシリーズとなっています。
2019年5月30日付で大和証券グループ本社と資本業務提携契約が締結され、資金調達体制としても安定化を図っています。

投資のスタンスとしては主要地方都市を中心としたレジデンスへの投資となっており、シングル・コンパクトタイプの物件を重視しています。

サムティグループに依存している危うさはあるものの、私としてはリスクも込みでワンルームに投資する気分で資金投入すれば良いかな、という感覚で投資しています。


現在のポートフォリオ

構築方針としては、まず用途別として 

  • レジデンス:80%以上
  • 運営型施設:20%以下
    (運営型施設とはホテル及びヘルスケア施設等) 
となっていますが、物件を見る限り現時点では全てレジデンスだと思います。


エリア別投資方針としては、

  • 主要地方都市:50%以上
    (札幌市・仙台市・名古屋市・京都市・大阪市・神戸市・広島市・福岡市)
  • その他地方都市:20%以下
    (主要地方都市を除く地方都市)
  • 首都圏:30%程度
    (東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)

となっており、分散を意識した配分になっています。
主要地方都市の中でも、ターミナル駅への乗り入れや、駅・バスターミナル等への近接性といった利便性重視を謳っており、シングル・コンパクトタイプ物件重視の姿勢と噛み合ったものになっています。

13期時点での実際のエリア別投資比率は下円グラフのようになっており、主要地方都市が想定よりやや少なく、その他地方都市が想定よりやや多くなっています。


ただし地方分散が出来ているか、という観点では大きな乖離ではないと思います。


サムティ・レジデンシャル投資法人の稼働率の話

地方都市を軸にした分散をしているこのREITを考えるにあたり、その稼働率が気になるところです。
私自身が地方都市に精通している訳ではなく、シングル・コンパクト物件が地方でどれだけ需要があるのか知識が無いため、首都圏と同様に需要が底堅いイメージで良いのか不安になるところです。

そこでREITのホームページを参考に、各エリアの稼働率推移をコロナ禍前の2019年からグラフにしてみました。
実は資産運用報告とホームページで稼働率の数値が若干違ったのですが、ここではホームページの数値を参照しています。


全体の稼働率としては、ポートフォリオの約5割を占める主要地方都市の稼働率とほぼ一致していることが分かります。
また首都圏は高めに推移しているものの、その他地方都市の稼働率は他に比べて低く、コロナ禍からくるものか2020年は特に下振れしていました。

2019年以降の各エリアにおける稼働率比較は下表となっています。

エリア平均 [%]最小値 [%]最大値 [%]
全体95.894.597.4
主要地方都市95.894.797.6
その他地方都市95.192.997.1
首都圏97.195.899.0

地方都市重視のポートフォリオのため、良くも悪くもパフォーマンスは地方都市次第ということが如実に見て取れます。

それでは稼働率が低い物件は何か特徴があるのでしょうか。


 稼働率押し下げに寄与してしまっている物件

実際にこのREITの稼働率押し下げに影響をもたらしてしまっている物件、単体で稼働率が低い物件を確認してみました。


 S-FORT車道

  • 第13期末 稼働率 : 74.8% (前期末 : 90.0%)
  • 所在地:愛知県名古屋市東区(主要地方都市)
  • 総戸数:19
  • 2002年築

名古屋の中心部・オフィス街にほど近い住宅街のようです。周囲は一軒家も多いです。
サムティ物件としては珍しいのか、2LDK~4SLDKというファミリー対象物件のようです。

現時点で賃貸募集しているのは確認出来る範囲で3部屋ありますが、そのうちの1つが4LDK/125m2と非常に大きく、これが稼働率に影響している可能性が高いです。

総戸数も多くないため、1つの空きが稼働率に大きく表れてしまう物件なのだと思います。
前期末は90.0%でしたので、タイミングの問題もあると思われます。


 S-FORT潮見

  • 第13期末 稼働率 : 84.6% (前期末 : 90.4%)
  • 所在地:東京都江東区(首都圏)
  • 総戸数:52
  • 2008年築

JR潮見駅から近い1K主体のシングル向け物件です。
周囲の環境としてはコンビニなども近く便利そうですが、最寄り駅の潮見駅がJR京葉線、東京メトロの最寄り駅は東陽町まで徒歩15分かかるなど、人を選ぶ利便性かもしれません。

現時点で賃貸募集しているのは確認出来る範囲で5部屋あります。
入れ替わりが多い立地でしょうし、どうしても90%前後になってしまうのかもしれません。


 S-FORT熊本船場

  • 第13期末 稼働率 : 84.9% (前期末 : 84.4%)
  • 所在地:熊本県熊本市中央区(その他地方都市)
  • 総戸数:91
  • 2008年築
1R/1K主体ですが、1LDKや2LDKもあります。
熊本市電B系統の洗馬橋から徒歩2分の物件ですので、市役所周辺や交通センター周辺といったオフィス街への通勤にも便利そうです。

現時点で賃貸募集しているのは確認出来る範囲で10部屋あります。
1R/1Kが9部屋、1LDK(41.54m2と小さめ)が1部屋という空き構成なので、単身用の部屋が1割強空いているような割合になっています。
熊本に精通している訳ではないので1割強が空いている理由を考えるのは難しかったです。
間取りもおかしくないように思いますので、地域によるものなのか、入れ替わりが激しいかなのではないかと推察しています。


 その他の物件

これまでの3物件が今期の低稼働率物件なのですが、その他地方都市に固まっている訳ではなく、首都圏も含まれています。
そこで稼働率で並べて下から10物件まで所在地を確認してみました。

4. S-FORT錦糸町(首都圏) 稼働率 : 85.4%
5. S-FORT船橋本町(首都圏) 稼働率:86.0%
5. S-FORT金山(主要地方都市) 稼働率:86.1%
5. S-FORT熱田花街(主要地方都市) 稼働率:86.1%
5. S-FORT金山(主要地方都市) 稼働率:86.1%
5. S-FORT鹿児島中央(その他地方都市) 稼働率:86.1%

ここまで見ても低稼働率物件がその他地方都市に固まっている訳ではありません
このことからエリアの稼働率と特定個別物件ごとの相関は低そうと考えられ、その他地方都市の稼働率の低さはエリア自体の平均稼働率が低いのではないかと推定します。

この辺りの確からしさはまた検証してみたいと思います。


まとめ

サムティ・レジデンシャル投資法人は地方都市、かつシングル・コンパクト物件を中心に据えた住居特化型REITです。
シングル・コンパクト物件がメインターゲットのため入居者の入れ替わりも多いと考えられ、全体稼働率は95%強で推移しています。

現状では保有物件の全てが居住施設となっており、利回りは4%を超えます
1Rマンション投資を様々なリスクから迷っているような方であれば、実物不動産保有の代替としてこのREITをある程度持っても良いのではないかと思います。
私はその感覚で投資をしており、今後も継続する方針です。


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