8984 大和ハウスリート投資法人 は大和ハウス工業をメインスポンサーとする総合型J-REITです。
第32期資産運用報告を基にして、保有継続の検討のため自分なりに気になるポイントを確認してみました。
大和ハウスリート投資法人の概要
その名の通り大和ハウス工業をメインスポンサーとする総合型J-REITです。
中核資産として物流施設・居住施設・商業施設・ホテルの4つを位置付けていますが、物流施設の割合が50%を超えています。
私は安定志向として住居主体型REITを好んでいますが、景気に左右されず需要が安定しているであろう物流施設も良いであろうと考え保有し始めました。
2022年5月現在で61あるJ-REITの中では規模の大きい部類に入り、
資産規模:8,952 億円 (J-REIT 第5位)
時価総額:7,308 億円 (J-REIT 第6位)
保有棟数:230 (J-REIT 第3位)
に位置しています。
現在のポートフォリオ
大和ハウスリート投資法人のポートフォリオ構築方針と、実際の保有状況を確認してみました。
ポートフォリオ構築方針
構築方針としては、まず投資対象として
- 中核資産 :80%以上
(物流施設・居住施設・商業施設・ホテル) - その他資産:20%以下
(オフィス、ヘルスケア施設等)
中核資産の中の配分は特に明記された方針はありません。
エリア別投資方針はシンプルで、三大都市圏で70%以上です。
三大都市圏とは
- 首都圏 :東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県
- 中部圏 :愛知県・岐阜県・三重県
- 近畿圏 :大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県
の3つで、本州の要所を押さえる形になっています。
実際のポートフォリオ
投資対象の配分は下図のようになっています。
80%以上を指標としている中核資産で95.3%を占めており、投資法人としての方向性が守られています。更に実態としては物流施設・居住施設で約80%となっており、この点が総合型REITでありながら私が好んでいる点です。
続いてエリア別の配分は下図の通りです。
特に居住施設はリストを見ると首都圏どころか東京都に集中しているようであり、地域分散の観点ではあまり分散出来ていません。
エリア別の配分の見方を変えてみる
エリア配分を見ると、中部圏も近畿圏もそれほど割合は大きくありません。
しかし一方でその他の区分で4分の1弱あり、実は中部などよりも大きなエリアがあるのではないかと思い、資産明細を見ながら勝手にまとめ直してみました。
結果は下図です。
帳簿価格から算出したため資産配分として公開されている数字とズレがありますが(0.1%程度)、概ね正しいと思います。
追加したエリアの区分は下記で勝手に作りました。
- 北関東圏:茨城県・栃木県・群馬県
- 北九州圏:福岡県・佐賀県
- 山陽圏 :広島県
本当は山陽としたので岡山県を入れたかったのですが、物件がありませんでした。
このエリア配分は地域ごとの投資対象の偏りなどは無視して数字だけを見てまとめているので、ポートフォリオ分析として正しいと思っていませんが、少なくとも三大都市圏という括りで見るのはおかしいのではないかと思います。
特に投資法人として分散を謳っている訳ではないですが、首都圏に大半を投資しているのが実態でした。
大和ハウスリート投資法人の稼働率
大和ハウスリート投資法人の稼働率は非常に安定しています。
合併により総合型REITとなった2016年以降で見ると、
- 物流施設:概ね100%
- 居住施設:96~98%
- 商業施設:99%前後
- ホテル :概ね100% *2022年4月は1物件の全貸借人との賃貸借契約解約により78.1%
- その他 :概ね100%
- ポートフォリオ全体:99%前後
となっており、高い稼働率で安定して推移しています。
居住施設を細かく見ていくとサムティ・レジデンシャル投資法人と同じように稼働率が低い物件も見つけられますが、資産規模がかなり大きいので個別の居住施設の影響が小さくなっています。
格付けとESGへの取り組み
大和ハウスリート投資法人の主要格付けは以下の通りです。
高い格付けを安定的として評価されています。
またESGへの取り組みを強化しており、資産運用報告でも4ページにわたり報告しています。
その狙いは社会価値の向上につなげ、投資法人の中長期的な成長に資するというものであり、成長戦略として好ましい方向だと思っています。
投資法人としてそれを示すために外部評価や認証、イニシアティブへの賛同が積極的に行われていますので、一例として外部評価の報告を表にしてみました。
この他にも様々な取り組みに賛同、参画しておりESG経営へ本格的に取り組もうとしている様が見て取れます。
ただそれぞれの内容・位置付けが素人には分からないので、それは別の機会に勉強してみようと思います。
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