2023年3月22日水曜日

【日本株】医療機器メーカー2トップと比較して5187クリエートメディックの弱点を分析してみた

先日クリエートメディックの業績推移を見ながら
 総資本回転率が低いんじゃない?
などと書いてしまったのですが、製造業平均と言われる数字ではなく同業他社と比較しないと意味がないよねという至極当たり前のことに気付きましたので比較しました。


今回比較に用いたのは
 7733 オリンパス
 4543 テルモ
という医療機器メーカーの国内売上高2トップです。

この2強と指標を比べることでクリエートメディックの立ち位置が分かることでしょう。

目次


比較する医療機器の国内トップ企業


クリエートメディックは主にカテーテルに強みを持つ医療機器メーカーですが、医療機器業界で国内2強となっているのはオリンパスとテルモです。


オリンパス

内視鏡・顕微鏡などの光学機器・電子機器を製造販売。
医療事業はグループ内売上比率で約85%。
内視鏡分野では世界シェアが75%程度であり、医療用の光学機器分野では世界最大手。
2022年度売上高は約7,501億円


テルモ

カテーテル治療、心臓外科手術、薬剤投与、輸血や細胞治療など幅広い製品・サービスを提供。
160以上の国・地域で事業を展開。
2022年度売上高は約7,033億円


ちなみにクリエートメディックの2022年度売上高は約122億円なので、規模としてはかなりの違いがあります。
しかし業界を代表する企業と財務指標を比較することで弱点と見られているところがわかるかなと思います。


比較した指標

財務分析の見方はいろいろありますが、今回は下記指標を比較しました。


収益性

  • 営業利益率
    会社本来の営業活動による利益を稼ぎ出す力を示します。
    効率良く販売活動が行えているかが分かります。
  • 総資本利益率(ROA)
    企業全体の元手に対してどれだけ設けたのかが分かります。
  • 総資本回転率
    売上高に対して資本がどれだけ回転しているかを示します。
    回転率が高いほど資本が効率良く働きより大きな売上を上げています。

他にも売上高総利益率や純利益率、自己資本利益率(ROE)などがありますが、営業活動や総資本に対する稼ぐ力の観点で選んでいます。


安全性

  • 自己資本比率
    総資本(貸借対照表の負債と純資産の部の合計)に対する自己資本(純資産の部)の割合です。
    高い方が安全性としても高い一方、収益性の面からはそうとも言い切れない指標です。
    ただ私は高い方を好んでいます。 

他にも流動比率や当座比率、固定比率などが代表的な指標としてあります。


成長性

  • 売上高伸び率
    前期と比較して売上高がどれだけ増加or減少したかを表す指標です。
    伸び率が高ければ成長していると言えます。


この他にも資本生産性で投資資本に対する付加価値を見ることで生産性を評価することなども考えましたが、今回は割愛しています。


財務指標比較結果


 収益性指標

営業利益率

オリンパスの振れ方が激しくてあまり参考にならないですが、テルモと比較すると約8%程度下回りながら推移をしています。
それが近年は拡がり気味で、2022年はテルモ16.49%に対してクリエートメディック6.01%と10%以上の差がついています。

数字だけ見るとテルモが凄まじいと思いますが、同業界で達成されている数字ですので少しでも近づいて欲しいところです。


総資本利益率(ROA)

こちらもオリンパスだけ毛色が違います。
途切れている年は赤字で算出不可、2023年業績予想はROA 27.0となっています。
え、何事?

決算説明会資料などを読んでいないのでどういう背景かは分かりませんが、現実的な数字なんでしょうか。。。

テルモについてはやはりクリエートメディックの上で推移しており、平均3.0ぐらいの差があります。
クリエートメディックも5.0を超える水準まで上げて欲しいなと思います。


総資本回転率

あれ、クリエートメディックが一番安定している?

オリンパスもテルモも回転率が下がってきており、2021,2022年はクリエートメディックが最も高くなっています。
こう見ると業界の中では悪くない数字なのかもしれません。

やはり見誤っていました…危ない。。。


 安全性指標

自己資本比率

クリエートメディックは安定して70%超で推移しています。

テルモも上下動はありますが、50%付近を下限に現在は70%程度になっており安定性も高そうです。

ここでもオリンパスは毛色が違い、2012年には4.6%にまで落ち込んでいます。
そこから上昇傾向にはありますが、2022年実績で37.6%です。
資本構造がテルモ・クリエートメディックとは違いそうで、そこが他指標の毛色の違いに表れているのかもしれません。


 成長性指標

売上高伸び率

市場環境もあるため上下動はありますが、やはりテルモが強そうです。
実際にテルモの売上高は10年で倍増するぐらいの伸びを示しています。

クリエートメディックも堅調な伸び率ではありますが、10年で3割程度の伸びです。

一方でオリンパスは減少基調であり、2008年からの比較では2022年で3割以上減少しています。
2023年は強気予想ですが、今期程度の伸びとなると売上高でテルモに逆転される可能性があります。


まとめ

クリエートメディックの業績だけを見て総資本回転率が低すぎると書いていましたが、同業界のトップ企業と比較すると決して低い訳ではないことが分かりました。

一方で営業利益率ROAではテルモに比べると見劣りしており、収益性で向上代があるのではないかな、という結果でした。
テルモとの違いを更に見ていくとより弱さが見えてくるのではないかと思います。

業界トップのオリンパスは指標の傾向が異なっており、収益構造が違う可能性があります。
2023年は強気予想ですが、実現するのかがトップ維持に重要な年になりそうです。


こうまとめてみると、クリエートメディックよりもテルモに投資したら良いのでは?と思います。

しかし株価の指標としては

  • PER:28.99
  • PBR:2.44
  • 配当利回り:1.14%

となっており私としては割安とは言えないかなと考えています。
しかし今後の継続成長を信じるのであれば投資するのもアリだと思います。

私は目先の配当利回り重視のため手控えますけども。。。
本音では良さそうと思っています。

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