2022年9月6日火曜日

【A-REIT】1555 A-REIT ETF関連 - オーストラリアの不動産市場は先行き不安か

1555 上場インデックスファンド豪州リートに投資をする上でオーストラリア市場の動向は当然のように重要です。
しかし注目度の高いアメリカの情報などは気にせずとも入ってきますが、オーストラリア市場は意識をしていてもなかなか見当たりません。
むしろ自分から取りにいかないと(取りにいっても)情報収集に苦戦したりします。


そんな市場について調べていると、不動産関連の市況が急激に変化していそうなことが分かったのでそのメモです。



目次


オーストラリア市場の近況

まずオーストラリア市場の最近の動向についてデータを確認してみました。


 高いインフレ率

Australilan Bureau of Statistics(豪州統計局)のデータを参照してみました。
その中でConsumer Price Index(消費者物価指数)の動向によってインフレ率を追うことが出来ます。
豪州統計局は4半期毎に発表しており、この10年における各期の年間インフレ率は下図のようになっています。

2021年からインフレ率が高まり始め、2022年6月時点で6.1%に達しました。
ちなみに日本は2023年7月時点で2.4%であり、その高さが肌感覚でも分かると思います。

項目ごとではTransport(物流)が13.1%、Housing(住宅)が9.0%と住宅価格上昇が2番目に大きく、REITへの影響が伺えます。

それにしても日本でもインフレが騒がれ始めていますが、それよりもはるかに高いインフレ率で驚きです。


 政策金利の上昇

上記インフレ率の上昇も受け、オーストラリアでは5月から政策金利が急上昇し始めました。

 2023/4月:0.10%
 2023/5月:0.35%
 2023/6月:0.85%
 2023/7月:1.35%
 2023/8月:1.85%

アメリカよりは一足遅い歩みではありますが、日本との金利差は大きく開きつつあります

そんな中で住宅ローン金利も同様に上昇していっており、不動産価格の下落に繋がっています。
A-REITにおいては苦しい市況になりつつあると言えるでしょう。


オーストラリア不動産関連のニュースレポート

そんな厳しい状況になりつつあるA-REIT関連のニュース記事です。
A-REITダイレクトの記事はあまり見当たらないので、不動産市況に関するものをピックアップしました。

主に参考にしたのは民間の不動産調査会社コアロジックの記事です。

主なポイントを箇条書きにしていきます。

  • 8月末時点の住宅価格指数HVIは1.6%低下。これは1983年以来の下げ幅
  • HVIの年間上昇率推移は急激に横ばいになってきた
  • 最近の市況の弱さにも関わらず、住宅価格はコロナ前よりもはるかに高い
    オーストラリア各都市の住宅価格推移
    下げトレンドに移ったように見えるが、まだまだコロナ前よりはるかに高い
  • 政策金利は更に0.75%程度上昇の可能性があり、不動産価格の押し下げ圧力になり得る
  • 住宅在庫は増加中。
    シドニーでは1年前よりも13.4%多く、過去5年平均と比べても6.5%上回る
  • 賃貸料は0.8%の上昇となったが、5月の1.0%上昇から鈍化しており賃貸料の減速は全国な傾向である。
    伸びの鈍化は特に一戸建て住宅で顕著。

どうにも良い見通しのポイントが無いですね…
住宅価格は下げ基調もコロナ前よりもはるかに高い水準にあり、下げる余地はまだまだありそうです。
政策金利も更なる向かい風になりそうです。

オーストラリアでは直近の市況はかなり悲観的な内容になりそうです。


まとめ

1555 上場インデックスファンド豪州リートを保有するにあたり、オーストラリアの市況について情報収集をしました。

オーストラリアも政策金利上昇の影響が出始めており、今後の住宅市況は厳しそうな雰囲気を感じます。
景気が減速するとさらに厳しく、REITに対しても強い押し下げ圧力になることが予想されます。

一方で最近私が見ている賃金上昇率を見ると、日本とは異なりしっかり毎年上昇基調になっています
資源国でもありますし、独立した成長を期待して、保有銘柄を売って待つよりも下がれば買い増していく気概でいきたいと思います。
今回のニュースで短期的に下げても要因に予想は付きますし、今後もチェックしていきたいと思います。

願わくば長期の不景気にならないことを…


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