2022年8月28日日曜日

日米の平均時給推移を比較してみたら出稼ぎに行きたくなった

最近アメリカの物価上昇のニュースをよく見かけます。

ラーメンを食べに行ったらお会計が10,000円を超えたとかカフェでコーヒーが1,500円だったとか…
妻子の元へ行く交通費を捻出するのに必死な私には考えられない値段です。


貴重な家族団欒中にそんなニュースの話をしていた時、妻がふと言いました。

給料も上がってるらしいけど今アメリカだと時給どれぐらいなんだろうね?


そこでGoogleで調べると、


2022/8/28 Google検索結果です

え、マジで?時給4,000円超えるの?平均で?


毎月インフレや給与上昇についてはニュースで流し見していましたが、こんなところまで行っていたんですね…

ということでアメリカの平均時給の推移を確認してみました。


目次


アメリカの平均時給と日本の平均時給

アメリカの平均時給はAverage Hourly Earningsとしてアメリカ合衆国労働統計局(Bureau of Labor Statistics)が毎月発表しています。

ほとんどの非農業産業の平均時間当たり収入を測定しており、約147,000社の民間企業の調査に基づいています。

日本でよく使われるアルバイトの時給とは性格が違いますね。


日本とも比較したかったので、同様の指標が無いか探したのですが、厚生労働省が発行している令和2年版厚生労働白書に用形態別の時給(実質)データがありました。

この中から一般労働者(正社員・正職員)を引用して比較してみることとしました。
ただ残念ながらアメリカは月次なのに対して年次データなんですよね。

また、このデータは令和3年版など他の年では見つけられませんでした。

データ元とされる厚生労働省政策統括官付賃金福祉統計室「賃金構造基本統計調査」も見に行きましたが、そのものと思われるデータが見つけられませんでした。
注記にありますが、この調査結果を元に厚生労働省政策統括官付政策立案・評価担当参事官室が算出・作成したのだと思います。
しかし長い組織名ですね。。。



日本の平均時給(正社員・正職員)の推移

日本の時給としては最低賃金をよく聞きます。

最新の厚生労働省データを見ると東京で1,041円、全国加重平均で930円です。

これだけだと「アメリカの4分の1 !?」となりますが、ここは正社員・正職員の平均データと比較すべきだと思います。


という訳で正社員・正職員の平均時給データが以下です。

き、きれいな横ばい…


本当に給料増えていないんですね。
2,000円のラインを超えそうで超えられていません。


参考までに仮に労働日数を休日120日、8時間労働、時給2,000円で計算すると

 8 x (365 - 120) x 2,000 = 3,920,000 [円]

となります。

日本人の平均年収が約430万円、中央値が約400万円と言われていますから、たしかにその程度の時給になりそうですね。


しかし日本に希望の持てないグラフですね…



アメリカの平均時給の推移

さてアメリカの平均時給です。

これについてはBLSがデータを公開していますので、そのデータを参照してグラフを作成しました。
2006年3月からのデータです。

き、きれいな右肩上がり…

なんなんですかねこれは。

この5年だけでも20%以上の賃金が上昇しています。
自分の昇給でもここまでの比率で上がっているのか疑問になってきました。
これが平均上昇率…

マジで?



 アメリカの平均時給推移を日本円に換算してみる

とは言え日本とアメリカを比較するならば為替レートも気にするべきですよね。
そうでなければフェアでない!


ということで、BLSが発表している毎月の平均時給は月末日という表記になっていますので、各日の為替レート終値を反映させて日本円の時給推移を作ってみました。

リーマンショック後の円高時に円換算時給はかなり下がっており、2011年8月に1,770円を付けています。
しかし円高から回復し始めるとあっさり2,000円を突破し、3,000円前後を推移しながら2020年頃から突き抜けていきました。

さらにここ数ヶ月は凄まじい上昇率で、2022年4月に初めて4,000円を突破しました。
冒頭のタイミングですね。


それにしても2015年頃からうろちょろしていた3,000円前後の時点で既に日本の1.5倍なんですよね…。
そして今や2倍以上。

もちろん急上昇の反動で今後どうなるか分かりませんが、この差は果たして埋まるのでしょうか。。
正直素直に羨ましいぞ。



 日本円に換算した平均時給を日本と比べてみる

絶望感に拍車をかけるために両国のグラフを重ねてみました。
日本は年次なので、その年の年末時点ということにしました。

そのグラフが下記です。

なんかもう別の指標を表しているグラフに見えます。

これでは購買力で年々負けていくのも納得です。



まとめ

アメリカのインフレ・賃金上昇というニュースからデータを見てみましたが、単に日本の状況に悲しくなって終わりました。

もちろん「最近のアメリカのインフレは行き過ぎでは」とも思いますが、このアメリカの賃金上昇カーブを見ると日本が国としてどんどん置いて行かれていると言われるのも納得です。


現実問題として、個人ではこの流れに抗うのは非常に難しいと思います。
そのためどうせ単身赴任で離れているなら、海外に出稼ぎに行った方が良いのではないかとも思えてきます。

国の心配もありますが、一個人として第一には家族を守らないといけないので、どこで稼ぐのかを真剣に考えなければならない時に来ているのかなと思いました。


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