2022年8月26日金曜日

【インフラファンド】利回りは6.49% !? 9286エネクス・インフラ投資法人から分配金!

私は高い分配金利回りからインフラ投資法人に低比率ではありますが投資をしています。

そのうちの1つであるエネクス・インフラ投資法人は伊藤忠エネクスをメインスポンサー、三井住友信託銀行・マーキュリアインベストメント・マイオーラをサブスポンサーとするインフラファンドです。

他のインフラファンドは太陽光発電一色に近いのに対し、エネクス・インフラ投資法人は風力発電・水力発電を含む設備取得を目指しています。
特にその点が将来性に期待が持てそうと考え保有を始めました。

直近の投資口価格・分配金は以下の通りです。


投資口価格92,400 円
第32期2021.12.1~2022.5.31
分配金3,030 円
分配金利回り6.53%

(8/25終値ベース)

分配金利回りは6%を超える水準となっています。

そんな投資先の第5期決算・運用報告が届きましたので、基本情報を確認してみました。



目次


エネクス・インフラ投資法人の概要

エネクス・インフラ投資法人の基本理念は

二酸化炭素をほとんど排出しない地球にやさしい再生可能エネルギーの普及・拡大を通じて、地球環境への貢献と持続可能な社会の実現を目指します

です。
実にESGを推進していて良い感じに見えます。


また、冒頭に書きましたがエネクス・インフラ投資法人は4つのスポンサーが共同出資している投資法人となっており、出資比率は以下の通りです。

伊藤忠エネクス株式会社
 伊藤忠商事グループのエネルギー商社で、国内トップの売上規模
 出資比率:50.1%

三井住友信託銀行
 三井住友トラストHD参加の信託銀行で国内唯一のメガ信託
 出資比率:22.5%

株式会社マーキュリアホールディングス
 マーキュリアインベストメントを中核とする持株会社(投資グループ)
 主要株主は日本政策投資銀行・伊藤忠商事・三井住友信託銀行
 出資比率:22.5%

マイオーラ・アセットマネジメント Pte Ltd
 シンガポールのアセットマネジメントファンド
 出資比率:4.9%

三井住友信託銀行は2020年に伊藤忠商事株式の大量保有報告書を提出したりしていますので、当たり前ではありますが伊藤忠と関係が深いところで組織されていますね。
(※今は大株主ではなくなっています)


現在保有している9物件については1つを除いてエネクスグループが保有、開発または投資している物件であり、さらにその中の3物件についてはマイオーラが開発しています。

また今後もこれらスポンサーグループの物件売却については優先的売買交渉権の取得を予定しており、更なる成長を目指しています。

現在のところ将来のパイプラインとしては12物件が挙げられており、その中には風力・水力発電も含まれています。
太陽光発電以外への拡大を期待したいところです。



分配金利回りが高い理由

エネクス・インフラ投資法人はほぼ6%台で推移している高い分配金利回りが魅力です。

その理由としては2つほどあると思いますが、これらは今のインフラファンドに共通するものです。


 高い利益超過分配金

利益超過分配金は経費として計上される減価償却費の割合が大きい場合、会計上の利益よりも手元のキャッシュフローが多くなるためにその一部を分配金として回すものです。

インフラファンドで保有する太陽光発電施設では土地代が安いこともあり減価償却の割合が高くなり、利益超過分配金が多くなります。

これはエネクス・インフラ投資法人に限らずインフラ投資法人全般に言えることです。


 固定価格買取(FIT)制度

固定価格買取制度とは再生エネルギーの普及目的に導入された助成制度で、再生可能エネルギーで発電した電気を一定期間中同じ価格で買い取ることを国が保証している制度です。

太陽光発電施設では20年間固定されており、その価格は一般的な買取価格よりかなり高めに設定されています。
そのため、その間は安定した高い分配金が期待出来ます。


エネクス・インフラ投資法人のリスク

もちろん高い分配金利回りの裏にはリスクがあります。
これも大きくは2つだと思います。


 固定価格買取期間終了後の売電価格

固定価格買取制度は目先はメリットとなりますが、終了後はリスクとなり得ます。
期間中は一般価格より高くなっているため、期間満了後は収益性の悪化が見込まれます
ただ昨今のインフレの状況が続くと市況が固定価格に追いつく可能性もあり、解釈には注意が必要だと思います。

エネクス・インフラ投資法人で最初に固定買取期間が終了するのは新城太陽光発電所で、2033/8/1の予定です。
その後も
 2033/9/30  JEN玖珠太陽光発電所
 2034/11/12 千代田高原太陽光発電所
と続いていきます。

10年以上先なのでまだ見通しは難しいですが、意識されるポイントです。

とは言え10年の間に60%ぐらいは戻ってくる分配金レベルなので、しばらくは様子見で持っておくのもアリだと思っています。


 小さい資産規模と低い流動性

J-REITに比べてインフラファンドはまだまだ資産規模が小さいです。

エネクス・インフラ投資法人で時価総額は約324億円であり、J-REITと比べると非常に小粒です。
J-REIT最大の8951日本ビルファンド投資法人と比べると3%弱に過ぎません。
これは小さい!

そこに認知度の低さもありエネクス・インフラ投資法人の出来高は概ね100~300口/日で、日によっては2桁の時もあります。

気が付くと無くなってしまっていないか。そんな懸念を抱いてしまう状況です。


まとめ

エネクス・インフラ投資法人は利回り6%を超える高利回り投資銘柄です。
国の助成制度やESG投資の流れにも乗っており、期待される投資先だと思います。

一方で固定価格買取期間の終了後や流動性の低さといった懸念も小さくありません。

そこで投資するのであればサブ的な位置付けとして保有しても良いという程度が良いと思います。
私はその考え方で保有しています。


ところでESG投資が~といった旨の発言になりがちなインフラファンドですが、エネクス・インフラファンド投資法人のHPを見るとトップにこんな画像が出て来ます。

ゴルフ場跡地などを活用していると思いたいのですが、そういったことは記述が見当たりません。
願わくばそうであってほしいですが、いずれにせよ写真だけ見ると太陽光発電所が環境に良いとは思えないんですよね…。

「金に色は無い」という思いで少し投資していますが、状況・情報次第では利回りに関係なく感情論で見直す可能性があります。


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