6月に配当を受け取った銘柄ですが、7278 エクセディについてです。
1株当たりの期末配当金は50円で、100株保有しているため5,000円(税引き前)になりました。
自動車部品でもあるクラッチの最大手企業で、駆動系装置を開発から生産まで一貫して行うことを強みとする駆動系総合メーカーです。
世界のEV化の煽りをモロに受けると思われる企業ですので、今後の展望などをエクセディ自身がどう考えているのか決算報告書などから確認してみました。
エクセディの基本情報
エクセディはクラッチの最大手で、主に自動車のクラッチやトルクコンバータ、二輪車用クラッチ、建設・産業・農業機械用製品などの駆動系部品を生産・販売しています。
1950年に株式会社大金製作所として防振型クラッチディスクなどの生産・販売を開始しており、1967年にはシカゴに駐在員を派遣、1977年にはカリフォルニア州に販売会社を設立するなど、早くから海外展開を進めてきた企業です。
現在は25ヶ国44社の拠点を有しています。
大株主は2022年3月31日時点で上位から
- 15.4% 株式会社アイシン
- 9.6% アイシンホールディングスオブアメリカ
- 9.6% アイシンヨーロッパSA
とアイシン系が占めています。
しかし特にトヨタ系列発祥ということはなく、これは2001年に日産自動車がこの3社にエクセディ株式を譲渡したことによるものです。
ちなみにそれまでは日産系列とされていました。
エクセディの株価と配当金
直近の株価、分配金利回りは以下の通りです。
この指標では割安高配当銘柄です。
しかし忘れられるような小さな企業ではないので、安くなっている理由は何かあるはずです。
20年間の株価の推移は下図のようになっています。
乱高下していますね。
下げ相場で暴落しながら戻る展開でしたが、2018年頃からは下落が続いています。
タイミングとしても電動車(EV)の増加に伴う先行き不安によるものという可能性が大ですが、この流れの中でエクセディがどう乗り切ろうとしているのかが重要かと思います。
配当利回りは直近で5.37%と高配当ですが、2010年以降の年間配当金の推移は以下のようになっています。
2021年にコロナショックの影響で減配していますが、今期でしっかり戻してきました。
それまでも増配傾向で来ており、来期も配当は維持の予想です。
この配当金履歴でありながら株価は乱高下していますので、業績の安定感もしくは将来性について投資家が懸念を持っていることが伺えます。
エクセディの株主優待
エクセディは株主優待を実施しています。
9月30日時点で100株以上の株式を1年以上保有している株主を対象にWEBカタログギフト(3,000円相当)が送られます。
11月末頃から12月初旬にかけて届きますので、ちょっとしたクリスマスプレゼント気分で注文できますね。
昨年末に自分が何を頼んだかは忘れました。。。
今年はレビューしたいところです。
エクセディの業績と今後のビジョン
エクセディの業績推移
エクセディの15年間の業績推移を簡単に確認してみました。
まずは売上高です。
コロナショックの影響で2020年から売上高が落ち込んでしまっており、2021年3月期決算は2019年に比べて約2割減となっていました。
それが今期は2020年水準まで回復しており、グラフには入れていませんが次期予想は3,000億円と過去最高を見込んでいます。
続いて営業利益と営業利益率です。
7~8%程度で推移していましたが、2018年頃から営業利益率が徐々に下降気味になっていました。
しかし今期は7.0%に着地しましたので、今後もこの水準維持を期待したいところです。
ただ取り巻く環境が劇的に変わっていますので、これに如何に対応して利益率を維持向上していくのかがポイントになってきます。
エクセディの今後の事業
エクセディの2021年の事業セグメント別売上構成比率は下のグラフの通りです。
一方でエクセディの主戦場であるビジネス領域は下図のような変化が予想されています。
ICE(内燃機関エンジン)の減少とEV/HEVの大きな増加が予想されています。
EV車は一般的にクラッチが不要とされており、これはエクセディの主要事業の縮小を意味します。
したがってエクセディは大きな事業転換を迫られている状況です。
これをどう乗り越えるかがこの企業の今後を占うことになります。
決算資料によると、既にエクセディでは新たな事業の種を模索しているようです。
それを示しているのが下図です。
かなり新しいところにも突っ込んでいます。
自動車部品は現在の強みを活かせるのかな、と期待したいところですが、ドローン用製品や小型風力発電機などはエクセディの既存の何かと親和性があるのでしょうか。
更にはアプリビジネスというのは…。
新たな商品についての新規性やライバル企業・商品までは調べられていませんが、率直に言うと迷走しているように見えて不安です。
IR資料やエクセディHPを見ても、何故その事業を試みるようになったのかはよく分かりませんでした。
もしかして多角化にトライしている象徴として出しているだけなのではと思ってしまいますが、成功の種は最初は疑いの目で見られることもありますし、静観するしかないなと思っています。
財務も悪くないのでいきなりおかしくなることはないでしょう。
まとめ
エクセディはクラッチの最大手で、配当利回りは5%台となる高配当株の1つです。
株主優待も実施しており、1年以上保有すれば3,000円相当のカタログギフトを受け取れます。
配当と合わせるとトータルの利回りは7%程度まで上昇します。
売上高は拡大傾向にあり、営業利益率も約7%という水準です。
今後もこのまま推移するようであれば、安泰と言える数字だと思います。
一方で取り巻く環境としてはEV車の拡大でクラッチ事業の縮小が確実視される厳しい状況にあります。
これに対してエクセディは新規事業開拓を行っていますが、成功するかは未知数です。
私としてはちょっと厳しいのではないかと思っています。
という訳で私は買い増しは考えていません。
応援したい気持ちはあるので即売却にも踏み切れませんが、業績推移次第では売却を考える銘柄だと思います。
やはり低位株には理由があるんだな、と思わされました。
【日本株】2613 J-オイルミルズ - 大幅減配の要因を損益計算書から考える
2613 J-オイルミルズから期末配当金を頂きました。 1株当たりの配当金は25円で、200株保有しているため 5,000円 (税引き前)になりました。 しかし現在のところこの株は私が持っている株の中でも 絶不調 の部類に入る銘柄なので、状況を確認してみました。
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