2022年6月13日月曜日

【アジアREIT】1495 上場インデックスアジアリートを全て売却。その理由とは

REITの地域分散を目的に1495上場インデックスアジアリートに投資をしていましたが、この度全て売却しました

元々の投資動機は

 新興国REITだと今後の成長の余地が大きそう
 利回りも3%は超えるし、とりあえず1495を買っておこう

という程度であり、実は銘柄内容の吟味は甘いものでした


しかし、ここのところ投資先として理解出来るかを1つ1つ見直している中で、私としてはリスクとリターンのバランスが取れていないと判断し、売却することにしました


今回はその確認した内容を書いていきます。


目次


上場インデックスファンドアジアリートの基本情報

上場インデックスファンドアジアリートはアジア地域のリートを対象にしたETFです。

シンガポールや香港を中心に、中国、マレーシア、インドネシア等の不動産を投資対象にしており、”FTSE EPRA/NAREIT アジア(除く日本)リート10%キャップ指数”をベンチマークにしています。


直近の株価、分配金利回りは以下の通りです。

株価11,630 円
売買単位10株
分配金利回り3.29%
決算月1, 4, 7, 10月
経費率0.71%
(6/10終値ベース)

3%超の分配金を期待できる銘柄となっています。


FTSE EPRA/NAREIT アジア(除く日本)リート10%キャップ指数とは何か

このETFは"FTSE EPRA/NAREIT アジア(除く日本)リート10%キャップ指数"をベンチマークとしています。
(※英語表記:FTSE EPRA/NAREIT Asia ex Japan REITs 10% Capped)

この指数は日本を除くアジア各国のREIT、もしくはそれに類する有価証券の投資収益を時価総額で加重平均した指数です。

内容はシンプルですが、それにしては長くややこしい名前なのでその意味を確認しました。


指数の名前はどのような意味か

(私にとって)見慣れない単語群は以下の通りでした。

 FTSE

冒頭のFTSEはFTSE International Limitedという企業名を由来とします。
この企業はイギリスの金融新聞であるフィナンシャル・タイムズ(FT)とロンドン証券取引所(LSE)の共同出資により設立され、株式や債券などの指数作成・管理業務を行っています。

現在はLSEの子会社となっており、ETSE Russellの商標で事業展開しています。

 EPRA

European Public Real Estate Association(欧州不動産協会)の略称です。

 NAREIT

National Association of Real Estate Incestment Trusts(全米不動産投資信託協会)の略称です。

 10%キャップ指数

指数を構成する銘柄比率の上限を10%に制限しています。
各見直しタイミングで10%を超える銘柄があった場合はリバランスされます。


つまりこのインデックスはFTSE RussellとEPRA・NAREITが協力して開発したアジアリートの10%キャップ指数ということです。

それぞれの単語の意味がわかればそのままでした。


指数を構成する銘柄

次にこの指数を構成している銘柄ですが、2022/5/31時点で40銘柄あります。

その中での上位10銘柄は下記です。

構成銘柄セクター時価総額
[百万米ドル]
比率 [%]
Link Real Estate Investment Trust香港多角化7,32111.11
CapitaLand Integrated Commercial Trustシンガポール多角化6,68610.15
Ascendas Real Estate Investment Trustシンガポール産業/オフィス6,4119.73
Mapletree Logistics Trustシンガポール産業3,8275.81
Mapletree Industrial Trustシンガポール多角化3,3475.08
Mapletree Commercial Trustシンガポール多角化2,8424.31
Frasers Logistics & Commercial Trustシンガポール産業/オフィス2,7944.24
Embassy Office Parks REITインドオフィス2,7044.11
Suntec REITシンガポールオフィス2,5473.87
Mapletree North Asia Commercial Trust中国多角化2,0713.14
合計40,55161.56

上位2銘柄は10%を超えていますので、リバランスされる見込みですが、シンガポールのファンドが多めの比率になっています。


上場インデックスアジアリートの投資先

1495上場インデックスアジアリートは"FTSE EPRA/NAREIT アジア(除く日本)リート10%キャップ指数"への連動を目標としている訳ですが、そのために

"NikkoAM-StraitsTrading ASIA ex Japan REIT ETF" (AXJREIT:SP)

というシンガポールのETFに少額のキャッシュを除いて全額を投資しています

このAXJREITは同様の指数を目標としているため、構成銘柄は"FTSE EPRA/NAREIT アジア(除く日本)リート10%キャップ指数"とほぼ同じです。

ただしこのETFに対しても信託報酬が0.60%がかかります

対象の指数に連動させようとしているETFに投資しているETFを買っているため、二重で信託報酬が掛かっていることになります


上場インデックスアジアリートのパフォーマンス

1495上場インデックスアジアリートの設定来の基準価格と指数の推移や下記です。

Nikko Asset Management HPより(参照元

現時点で指数との乖離が5%強あります。

要因は様々あるのだと思いますが、AXJREITで信託報酬0.60%、さらにそこから1495で0.71%が総資産から引かれていますのでそれだけで妥当なラインになると思います。

またその影響は分配金利回りにも出てきており、

 指数の利回り  :5.43% (2022/5/31 Fact Sheetより抜粋)
 AXJREITの利回り:4.79% (2022/6/10 終値ベース)
 1495の利回り  :3.25% (2022/6/10 終値ベース)

投資先不動産としては同じリスクでありながら利回りで2%強も低くなっています


さらに投資法人としてのリスクが重なります。

上場廃止リスクを考える上で純資産総額を確認すると、

 1495の純資産総額  :39.8 億円
 AXJREITの純資産総額:350.9 億円

であり、特に1495自体の規模が小さく存続に懸念を抱く状況です。


まとめ

投資先としての妥当性確認のため、1495上場インデックスアジアリートの中身を確認しました。

シンガポール籍のETFを通してアジア各国のREITに投資していますが、目標指数からの乖離が大きくなりつつあり、分配金は目標指数で期待される利回りよりもかなり低くなっています

リスクと利回りのバランスを考えると投資先として見直す必要があると判断し、私は全て売却することにしました

同様の利回りであればもっとリスク・リターンバランスの良い投資先があると思います。

当たり前ではありますが、なんとなく良さそう」で投資してはダメだと再認識しました

他の投資先も順次見直していきたいと思います。


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