4927ポーラ・オルビスホールディングスから中間配当金を頂きました。
1株当たりの配当金は21円で、500株保有しているため10,500円(税引き前)になりました。
この銘柄は妻が昔からORBISを使っていてお気に入りだったこと、株主優待で商品を選んで受け取れることから保有し始めました。
ところが最近の株価は右肩下がりです…。
そこで今一度業績の確認をしてみたところ、まあ妥当かなというような状況ではありました。
ポーラ・オルビスホールディングスの基本情報
ポーラ・オルビスホールディングスは国内第4位の化粧品メーカーです。
高級品のPOLA・通販のORBISを基幹ブランドとして抱え、海外ブランドのJurlique、育成ブランドとしてTHREEなどがあります。
POLAは街中でも見かけますし、ORBISは妻が昔から愛用しています。
ここのところ飛行機に乗れていないので最新状況は分かりませんが、Jurliqueは空港の免税店で見かけるイメージがあります。
ブランドポートフォリオとしてはは下図のようになっており、海外・育成ブランドが今後柱になっていけるかがポイントかと思います。
売上高比率としては凡そ
POLA :60%
ORBIS :25%
Julique :5%
育成ブランド:10%
となっています。
ブランド育成を図ってきていますが、POLAが引っ張る構成は変わっておらず、POLAブランドの業績がグループに直結しています。
ポーラ・オルビスホールディングスの株価と配当金
直近の株価、分配金利回りは以下の通りです。
上場来の株価推移は下図の通りとなっており、現在はピークの3分の1以下となっています。
コロナショックによる中国市場の影響が大きいイメージがありますが、それ以前から株価は下落していました。
ターニングポイントとなった2018年の決算ではJurliqueの苦戦を要因として挙げ、減損損失として約11,300百万円を計上しています。
さらにその裏ではORBISも売上高を落としてきていた時期でした。
翌2019年は消費税増税の影響を受け国内で苦戦しPOLAが大幅減収、さらに2020年ではコロナショックを受けて大幅増収を続けていた中国本土・免税店で躓きました。
配当金推移はそんな株価推移の後を追うような形になっています。
2019年は特別期末配当36円を加えて116円まで行きましたが、コロナショックで2020年に50円まで戻しました。
その後は51円、52円予想とジリ上げの推移です。
しかしコロナ前の配当は好調に見えますが、配当性向は2018年は210.9%・2019年は130.3%でしたので明らかにやり過ぎでした。
2021年は96.1%、今年は82.2%予想と落ち着いてきてはいますが、まだ高めではあります。
地に足の着いた範囲で増配になってくれることを期待したいです。
ポーラ・オルビスホールディングスの業績
株価と配当金から業績推移もある程度予想が付きますが、実際の指標を確認してみました。
売上高
Jurliqueの苦戦が続いていたところに2019年頃からの基幹商品のPOLAの大幅減収が重なってきていました。
更にコロナショックで全ブランドで大幅減となり、昨年はなんとか維持というところでした。
しかしながら2022年の上期は再び減収となっており、その要因は中国大陸のロックダウンや韓国免税への出荷抑制が要因としています。
さらにORBISでは顧客数が減少しており、POLAと共に苦戦中です。
一方でJurliqueやH2O PLUSといったブランドは持ち直しているのですが、如何せん比率が小さいので回復に貢献までは出来ていません。
しかし良い傾向ではあると思います。
営業利益と営業利益率
売上高と似た推移となっていますが、これもPOLAの苦戦が大きな要因です。
POLAの売上高が下がることにより、全体の原価率が上がり利益率も下がってきています。
販管費の抑制は進めていますが、減収を補え切れませんでした。
今期の説明資料で顧客数の減少は底を打ったというような表現がありますが、ここから本当に回復していくかが重要となってきます。
総資本回転率
これもPOLAブランドの業績に左右されています。
減収が止まるのかが注目であり、ほぼ全てだと思います。
一方で資本自体の選別は進めており、今後の化粧品業界の需要が戻れば以前より稼げる体質になる可能性は秘めているかもしれません。
2022年の通期業績見通し
2022年12月の業績予想としては全体の売上高で16,000百万円の下方修正が入りました。
主には国内の委託販売の回復状況が想定を大きく下回っていることによります。
これもほぼPOLAによるものです。
これに対しては費用コントロールにより上期よりも利益率改善することを謳っていますが、実現性は不明です。
その他の第3四半期以降の顧客拡大の取り組みとしては
- SNSなどのデジタル活用店の展開
- 中国大陸において出店ペースを加速
- マレーシアへの出店
などがあります。
グローバル展開については第2四半期にもオーストラリア・ベトナムに出店しており、プレゼンス拡大が重要になっています。
まとめ
ポーラ・オルビスホールディングスは国内第4位の化粧品メーカーです。
2010年代は好調に推移していましたが、2018年頃から失速しました。
海外ブランドの不調や消費増税の影響を受け減収。
さらにそこにコロナショックを受けて未だ立ち直れません。
しかし販売チャネルの改変やグローバル展開の加速など、苦戦の中にも攻めの姿勢が垣間見え始めています。
中国大陸のロックダウンの影響が未だに大きいですが、今後市況が回復に向かえば持ち直す余地は十分にあると考えています。
妻も「別に質が悪くなったとは思わないよ」と言っているので、N=1の声ではありますがそれを信じて浮上を待ちたいと思います。
財務としてはすぐどうにかなってしまうような数字ではないと思うので、まだ下がるようであれば買い増しつつ私はしばらく様子見しながら回復を待ちます。
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